「ハイラル王国は何と戦ってきたのか」
「ハイラル王国にとっての脅威はガノン以外にも存在したのか」
アッカレ砦を見ていると、ハイラル王国が敵と見なしていた対象は何なのかと私の中で様々な憶測が飛び交う。
100年前の公文書は厄災によって焼失したためそれらは謎に包まれているのだけれど、作中とマスターワークスを参考にあれやこれやと考えてみた。
アッカレ砦の戦術
アッカレ砦についてはマスターワークスでその設定が2ページに渡りこと細かく書かれている(参考:マスターワークスP.380.381)
アッカレ地方の小高い山の頂に位置し、難攻不落と呼ばれた巨大なアッカレ砦。
居住用とみられる施設の跡もあることからもここには兵士が常駐していたことが分かる。
砦内には大量の備蓄があったと思われ、有事の際には数ヶ月〜数年は篭城できるほどだったとされている。
また、地形や大砲の向きからはその戦術や敵の動線を推測することができる。
三つの台場に設置された大砲は、全て南の街道へ向けられており、東側から南の街道を通って中央ハイラルへ攻め入る敵をここで足止めする目的で配備されていたことがわかる。
(引用:マスターワークスP.381)
中央ハイラルへ続く道は、アッカレ砦の北西の街道と南の街道の二つ。
北西の街道は谷間になっており道幅が狭く、敵が広範囲で攻めてくるには都合が悪い地形となっており、そのため敵が攻めてきやすい南の街道を重点的に狙った戦術だということが書かれている。
(北西の街道)
要約すると、アッカレ砦は東から中央ハイラルへ攻め入る敵をここで殲滅するために建てられた砦ということになる。
東には何があるかというと、海。
つまり、アッカレ砦は外海からの敵との戦いを想定して造られたのだ。
ちなみに現アッカレ古代研究所は、元は灯台であった。
灯台とは一般的には航路標識としての役割を担うものだそうだが、ハイラルには造船所や大きな港がないことから、大規模な渡航や他国との貿易などは行っていなかったのではないかと推測する。
海へ出る手段といえば、せいぜい筏かウオトリー村の小船くらいしか思いつかないが、まさかそれらの為の灯台ではないだろう。
そんなことから、個人的にアッカレ最北東に建てられた灯台は、外海からの敵を監視するための『監視塔』だったのではないかと想像している
大砲はハイラル王国で確認できるのはこのアッカレ砦だけで、当時のハイラルではこれが最大の火力兵器であったと考えられる。
最大の火力兵器をここに置いていたことからも、中央ハイラルへ侵攻する敵をなんとしてでもアッカレ砦で食い止めようとしていたことが伺える。
それなりに大規模な戦闘を想定していたのだろう。
敵とは何者なのか
では、外海からの敵とは一体何を想定していたのだろう。
それはアッカレ砦がいつ建設されたかで見方が変わってくる。
もしも厄災復活予言前に建てられたのなら、『他国』との戦争を視野に建てられたものかもしれない。
ハイラルには自然に恵まれた広大な土地と、万能の力 トライフォースがあるゆえに一般的に考えても他国から狙われやすい国だと想像できる
そうした他国や敵国との戦争を想定して造られたのかもしれない。
もしくは、外海には海賊がいたのかもしれないが。
ハイラル大陸の北と西は隣国との間に大きな亀裂があって到底人間は越えられないし、敵が攻めてくるとするならばやはり海からと考えるのが妥当だろう。
そして、もしもアッカレ砦が予言後に建設されたものならば、その目的は『厄災や魔物』であった可能性も考えられる。
魔物はいつからハイラルに存在したか不明だが、厄災復活が近づくと共に魔物の動きが活発になっていることから、予言直後から魔物がどこからともなく湧き出てきたのかもしれない。
そして100年前、ガノンがハイラル城の地下から復活するということは作中や資料集でも話されておらず、それは想定外の出来事だったかもしれない。
となると、なんとも滑稽な話にはなるがもしかしたらガノンが外海から船で攻めてくると考えていた可能性もある。
一万年越しの復活であり厄災についての多くの情報が欠落していたことを考慮するとそうした誤算もあったかもしれない。
しかし、実際には占い師の予言で"大地に厄災ガノン復活の兆しあり"と言われているので、その言葉を素直に聞き入れたハイラル王ならば厄災は海からではなく大地から復活すると予想はできていたはず。
したがって、アッカレ砦は"他国からの敵"というのを想定していた可能性が最も高いのではないかと推測する。
ガノンという最大の脅威
難攻不落とされた堅牢、アッカレ砦。
実際にそうした戦闘は行われたことがあったのか。
ガノンは一万年という期間封印されていた。
その間ハイラル王国は「長きに渡り平和な時代だった」と伝えられている。
その間に他国との戦争や紛争があったかどうかは分からない。
ハイラル王国には数多くの兵士と有能な騎士たちがいる。
そうした戦力によってハイラル王国の平和は守られてきたのかもしれないし、幸い戦争などなかったのかもしれない。
しかし、軍があるからにはそうした争いを想定していたことは間違いない。
ハイラル王国には古くから「トライフォース」を巡る争いが絶えず一国としていつ攻められてもおかしくはないし、ハイラルを統一するため内戦が行われた時代もあった。
ハイラル王国(王家)が戦力向上に意欲的だったことはその歴史からも大いに納得できる。
ブレワイのハイラルには戦争の歴史がまるで見えないのも不思議である。
種族間はとても仲が良いし、ハイラル城の見張り台も長く使われていなかったことからも平和な時代が続いていたことがわかる。
先述のとおりハイラルには自然豊かな土地と、トライフォースがあるゆえに他国から狙われやすい国だと想像できるが、一方で、ガノンという厄災に幾度も見舞われるという曰く付きの国でもある。
もしかしたら、ハイラル王国の歴史に戦争の話を聞かないのは、この国には『ガノンという最大の脅威』があったからかもしれない。
敵国にとってもガノンというリスクを取ってまでこの国に攻め入る気にはならないのかもしれない。
そうした意味では、厄災ガノンがいることでハイラル王国の平和が保たれていた部分もあったのではないだろうか…
実際に戦争が行われていたのか、アッカレ砦が何との戦いを想定して造られたのか、そうした文献は一切残されていないので、全てが謎のままである。
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