今回は、『ハイラル大森林のコログの森は時のオカリナのコキリの森だったのではないか』という考察と、それに関連するものとして、『マスターソードの台座周りの石が意味するものは一体何なのか』というのも考えてみました。
そもそもハイラル大森林には”デクの樹サマ”という時のオカリナと同名の精霊がいることや、サリアやミドをもじったであろう地名があることからも、コキリの森がルーツである可能性は充分に考えられそうです。
しかし、それらを確たる証拠とするには少し乏しい気がします。
ですので、コログの森がコキリの森だと考えられる根拠となりそうなものを他にも色々と探して参りました。
微かに聞こえるあのフレーズ
まず、一つ目がBGMです。
デクの樹サマと対面する場面で流れている曲には、コキリの森のフレーズが入っているんです。
(コログお芝居のシーン辺り)
印象はかなり異なるものの、はっきりとコキリの森のフレーズが引用されています。
サウンドディレクターの若井さんは、BGMの引用において"ファンサービスで鳴らすような使い方はしない"ちゃんと意味合いを持たせ、思いを込めた流用なのだと仰っています。(参考:BreathoftheWild Original Soundtrack)
ちなみに、風のタクトの森の島でもコキリの森のBGMが使われています。風タクのデクの樹サマは時オカデクの樹サマの子供が成長した姿であり、コログはかつてのコキリ族であることから、森の島はコキリの森と結びつけて考えられています。(参考:ハイラル百科P18,55)
そうした先例も踏まえ、BGMの引用は、デクの樹サマの子孫であったりコキリの森との関連性を示しているのものと推測します。
マスターソードの台座を囲む石
そして二つ目の根拠ですが、マスターソードの台座周りの石です。
台座にはとりわけ大きな三つの石と、その周囲に六つの石が置かれており、これらにはしっかりと意味があるんです。
三角形に配置された大きな石は三大神のネール、フロル、ディンを表しており、その周囲を取り囲むように配置された様々な形状の石は、ゾーラ族 ハイリア人 ゲルド族 ゴロン族 コキリ族 シーカー族を表しているものとされています。(参考:マスターワークスP221)
これらの種族が意味するものは、おそらく"六賢者"でしょう。
六賢者といえば、時のオカリナとトワイライトプリンセスに登場し、また風のタクトではハイラル城のステンドグラスとしてあしらわれ、スカイウォードソードでもハイリアの神殿に紋章が確認できますが、この六つの種族が揃って登場するのは時のオカリナのみなんです。
すなわちこれらの石は"時のオカリナの"六賢者だと限定できるものといえます。
このように、コログの森はコキリの森のBGMであったり、時オカの六賢者を思わせるものが残されていることから、コキリの森がルーツとなっている可能性は高いのではないかと考えました。
ちなみに、ハイラル大森林とコキリの森の位置は比較すると随分とズレがありますが、ブレスオブザワイルド開発初期はハイラル大森林とカカリコ村の位置は逆だったとされています。(現在該当記事が見られない状況です)
諸々の仕様に考慮した結果位置を入れ替えたとのことです。
ゼルダはストーリーや時系列よりも「遊びが最優先」だと常々仰っていますし、第一に面白いものを作るというのがあったのでしょう。
そんなこともあり、現在の位置関係は一致しませんが、当初の案ではハイラル大森林はコキリの森の位置にあったといえます。
台座の石の意味は?
コログの森のルーツが見えてきたところで、続いては先程のマスターソードの台座周りの石についてもう少し詳しく考えていきたいと思います。
これらの石が、ブレスオブザワイルドの種族ではなく、なぜ時のオカリナの賢者(仮)なのか、疑問に思いませんでしたか?
賢者の役割は剣を授けてくれる存在(初代)であったり、時にマスターソードの退魔の力を復活させたり(風タク)とマスターソードに所縁ある存在であることは確かですが、時のオカリナの六賢者とマスターソードにはどんな結び付きがあったのでしょう。
個人的な解釈となりますが、恐らくマスターソードを安置する上で、この六賢者が関わっていたのではないかと想像しました。
時のオカリナのその後、勇者が勝利ルートではマスターソードは時の神殿とハイラル城に安置されています。
一方で、勇者が敗北したルートではどうなったのでしょう。
マスターソードは、神々のトライフォースまでの間に勇者以外の誰かが森の聖域に安置しているんです。
私は、勇者が敗北してしまった後、ガノンドロフを封印した六賢者が勇者の故郷である森に安置したではないかと想像しました。
勇者とマスターソードに祈りを捧げ、その守護に務めていたのかもしれません。
それから数世紀、神々のトライフォースに登場する七賢者はマスターソードを扱う勇者を探すという使命がありましたし、勇者が不在の間、魔に立ち向かい、それは封印戦争と呼ばれ賢者にとって激動の時代でもありました。
そのはるか未来、リンクの冒険でも六賢者の名前は町の名前として刻まれており、賢者の伝説は健在だといえます。
仮にブレスオブザワイルドが敗北ルートとするならば、六賢者の功績や、何かしらの形でマスターソードに関わっていたことがこのように残されていたとしても不思議ではありません。
伝説の数々を見てきたデクの樹サマやコキリの森の精霊たちは、六賢者たちの活躍を後世に残すため、ここに石を建てたのではないかと考えました。
剣の試練
マスターソードの真の力を解放する「剣の試練」
そこでも時のオカリナを思わせるものがありましたね。
最深部で待ち受ける導師たちは、それぞれ六賢者と同じポーズをとっています。
地上にあった石よりも、はるかに強めなアピールですね。
マスターソードの覚醒には導師達は勿論ですが、彼らの力や加護があったのかもしれませんね。
マスターソードと六賢者の関係はただの想像に過ぎませんが、マスターソードが歴代の勇者へと受け継がれてきたその背景に、六賢者たちの存在があったことは間違いなさそうです。
《動画はコチラ》