【BotW】古代エネルギーの謎 青と聖なる力

 

前回の記事では、古代エネルギーは"どこからやってきたのか"という点について考えてみた。

 

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今回はその結論を基に、更に古代エネルギーについて追究していきたい。

 


「青」と、そして「特殊な力」

 


それらが意味するものとは…

 

 

 

 

古代エネルギーの「青」

前回、古代エネルギーはスカイウォードソードの「時空石」と同じものではないかと考えた。

 

もしそうだとしたら、それは知恵の女神「ネール」と深い結び付きがあるといえる。

 

 

はるか古代にハイラルに降臨した三大神のひとりであるネールは、世界に「秩序」を与えた。

 

 

遺産として残した「知恵」のトライフォース。

その力は多くの場合、ハイラル王国の姫に宿る運命である。

 

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スカイウォードソードの「時空石」のエネルギーは、ネールと縁あるものだ。

 

時空石の産地であるラネール地方はネールの名を冠する地名であり、その地で護られている「ネールの炎」は「青」く燃え盛る。

 

 

 

時空石に含まれるエネルギーは「時間」と「空間」を操ることができる。

 

それと同じものかは不明だが、あらゆる作品で時間や空間を移動する際には、青い光が使われている。

 

(時のオカリナ、夢をみる島、4つの剣)

 


また、ふしぎの木の実「時空の章」では、物語の舞台であるラブレンヌの巫女の名が「ネール」であった。

もちろん三大神の名が由来である。

 

画像:HISTORY | ゼルダの伝説ポータル | Nintendo

 

 

 

このように、「青」と「時空」は、ネールの象徴ともいえる。

 

 

 

それを踏まえると、ブレスオブザワイルドの古代エネルギーの「青」も、例外ではないのかもしれない。

 

時空石と見た目も能力も相違ないエネルギー。

古代シーカー技術はシーカー族の叡智。

知恵の結晶である。

 

 


私は、古代エネルギーの「青」もまた、知恵の女神ネールを意味する「青」ではないかと思っている。

 

 

 

古代矢の「特殊な力」

次に、古代エネルギーに宿る「特殊な力」について考えていきたい。

 


古代エネルギーには、時空間の移動や人体の蘇生以外にも、特殊な力がある。

その力を発揮するのが「古代矢」だ。

 

 


古代矢という武器は、ブレスオブザワイルドにおいてかなり特別な位置付けである。

 


ブレスオブザワイルドが「ゼルダ最新作」として初めて公開された2014年E3の映像では、リンクは敵に対してマスターソードではなく、未知の矢で立ち向かっていた。

 

 


これほどまでに、マスターソード以外の武器をアピールしたPVが他にあっただろうか。

 

 

これもゼルダの"アタリマエを見直す"の一環なのだろう。


古代矢は、本作のストーリーを語る上で欠かせないシーカー文明を象徴する武器となった。

 

 

 


一度ここで、古代矢の基本的な能力について書いておこう。

 

古代矢は「矢」というが、実際は短剣を普通の矢の先端に縛り付けて飛び道具化したものである。

 


矢に打たれた敵は"消滅"してしまう。

火力というよりも魔力のようだ。

 

 


その原理は解明されていないが、古代矢のエネルギーはバクダンとは違いほぼ周囲に干渉せず、どちらかというと内側に向かってエネルギーが発生している。

構えると瞬時に重力波のようないわゆる時空の歪みが生じていることから、異空間へ飛ばしているか、もしくはブラックホールのように超高密度の重力エネルギーによって光もろとも吸収、圧縮され消滅しているのではないか、というのが私見だ。

 

 

古代矢の発動条件は限られていて、当たったものを何でも消滅させてしまうわけではなく、消えるものと消えないものがある。


それらを大まかに分けると、魔物と素材になる生き物には有効で、それ以外のモノや素材などには無効だ。

 

ただし、ガーディアンは例外である。

古代矢を放つと一発で仕留めることができるが、魔物のように消滅はしない。

怨念という"魂"には効いていて、入れ物である無機質な遺物には効かないため消滅しない、ということだろうか。

 

 

古代矢の発動条件は、"命"的なものが関係しているのかもしれない。

 

 


さて本題に入ろう。

 


古代矢の最も「特殊な力」は、なんといっても魔獣ガノン戦での一撃ではないだろうか。

 

 

ゼルダが「ガノンはどんな攻撃も受け付けない」というように、魔獣ガノン戦で有効な武器はかなり限られている。

 


身体には、光の弓矢かマスターソードの剣ビームか古代矢。

そして額の目玉には、光の弓矢もしくは古代矢。(amiiboの黄昏の弓矢も有効)

 

ゼルダがいうように、その他の武器は一切受け付けない。全くの無効だ。

 


だが問題はそこではない。

古代矢さえあれば魔獣ガノンを倒せてしまう、という点だ。

 

 

 

これまでの作品では、ガノンにトドメを刺す武器は光の矢やマスターソードでなければいけない、というのがお決まりだ。

 


聖なる力を宿す光の弓、あるいは銀の矢。

そしてフォースを宿す退魔の剣、マスターソード。

ガノンに対抗できる武器は"聖なる力の宿る武器"に限られてきた。

 


闇を打ち払うのは光。

悪の概念に対抗できる力もまた、概念の力でなければいけない。

 

 

 

そう考えると、古代矢が単なる桁違いの火力を持つ武器だとは思えない。

 

 

 

その能力と青い輝きがネールを連想させること。

聖なる力を宿す武器と同等の力を持つこと。

 

 

 

もしかしたら、古代エネルギーにも、「聖なる力」や「フォース」など"光の概念"が宿っているのではないだろうか。

 

 

古代シーカー文明という科学兵器で厄災ガノンを討伐しようとも、結局のところ、聖なる力やフォースが形を変えただけの事で、本質的なものはこれまでと何ら変わりないのかもしれない。

 

 

ロベリーが対ガノン用兵器として造り出した「古代矢」の真価は、そこにあるのではないだろうか。

 

 

 

ブレスオブザワイルドのビジュアルやイラストを見てみると、リンクは古代矢とマスターソードを同時には所持していない。必ずどちらか一方だ。

それは、マスターソードの入手が任意である本作において、古代矢がマスターソードと同じ力を宿す武器だということを意味しているように思うのだ。

 

 

 

青。その次は?

古代エネルギーは未知である。

それゆえに、前回から考察してきたことは推測の域を出ないものであるが、これらの説は全てティアーズオブザキングダムの"緑のエネルギー"に対する仮説を補強するためのものである。

 

 

古代エネルギーの「青」はネールに基づく青であり、そこにガノンに対抗できる「聖なる力」が宿っているとするならば。

 

 

 

 


次は"緑対赤"

 

 


その構図の意味が、見えてくるのではないだろうか。